広野町の帰還拡大

 広野町は最近、住民の帰還率が79%に達したと発表。この3月に仮設や借

り上げ住宅の無償供与が終了し、数字が向上するとは予想していたが、ここま

で回復するとは正直のところ思っていなかった。私は以前から浜通りの復興の

鍵を握っているのは広野町、と書いてきた。なぜならその後に続く楢葉町、富

岡町(現在は一部を除いて解除済み)の前線に位置する町であり、ここで人口

が回復しないとイチエフに近い町は回復が遅れる、と思っていたからだ。

 広野町の大半は、都路と同じ旧・緊急時避難準備区域。町独自の判断で避難

指示を出したのだが、2012年3月に指示を解除していた。しかし、なかな

か帰還が進まず、確か半年前は4割程度だったような気がする。これだけ急速

に数字が回復したのは無償供与の終了だけでなく、商業施設なども整って住環

境が戻ってきたからだろう。それまでは工事関係者の姿ばかりが目立ち、異様

な雰囲気すら漂っていた。しかし、広野が8割まで戻ったのなら、楢葉、富岡

にもいい影響は出るのではなかろうか。そう期待したい。

 浜通りの帰還で、残るはイチエフのある大熊町双葉町となった。これにつ

いても最近、改正特措法が成立し、帰宅困難区域に人が住めるように復興拠点

を整備。内堀知事も「復興に向けた大きな一歩」と評価するコメントを出して

いる。といっても、以前の報道では面積の5%程度となるようだが、それでも

すべての自治体に人が住めるようになる意義は大きい。復興拠点ができても人

がどれだけ戻るかはわからないが、浜通り復興の青写真は見えてきた。その前

に楢葉、富岡、浪江がどうなるのか、しばらく注視したい。

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