読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

よそ者はいつまでよそ者か

 お客さんでいるときは親切だったのに、コミュニティの一員になった途端に

厳しい目に晒される。そんな経験をした移住者も少なくないはずだ。よそ者が

警戒されやすいのは、地域に混乱を招くと恐れられるため。純血主義になりが

ちな日本だけでなく、アメリカでもフランスでもよそ者を排斥する動きが起き

た。実際、フランスの今回の選挙では「パリ市が移民のためだけの公共住宅を

つくろうとしている」というフェイクが流されたようだ。

「若者・よそ者・バカ者が地域おこしのキーマン」とは地域振興の教科書に必

ず出てくる言葉だが、よそ者が必ず歓迎されるわけではない。移住者争奪戦が

起きている現在では、移り住むだけで移住奨励金なるものを支給する自治体も

増えている。それに対し、「どうして公的資金をそういう連中に使うんだ」と

眉をひそめる地元住民もいるのだ。それでも地域のルールを守り、おとなしく

行動していれば大目で見てくれるようになるが、3年や5年で移住者が地域の

一員になれるわけでもない。排他性の強い地域では「3代住み続けないと地元

の人間になれない」という言葉も聞かれる。

 でも、10代以上続いている地域住民の先祖も、実は大昔によそから移り住

んできた人である。人類の起源がアフリカにあることは有名な話だが、どこか

ら入ってきたかはともかく、日本人のルーツは大陸から渡ってきた人たち。そ

れなのに外来種には厳しい目を向ける。「セイタカアワダチソウは在来種を脅

かす存在」といった風潮が強いのだ。ブラックバスにせよ、セイヨウタンポポ

にせよ、もうすっかり日本に定着している。でも、どうしてもよそ者扱いされ

てしまう。「よそ者はいつまでよそ者か」なんて下らないテーマのようだが、

意外と奥の深い難問なのである。