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不法侵入ごめんなさい、な物語?

弟家族は、動けなくなったくろを必死で看病しました。

夜遅くまで、ずっと見守っていたのですが、いつの間にか眠りについてしまったようです。

そして、翌朝・・・・・・

長男くんが我が家に来て

「ばあちゃん・・・・・くろが、冷たくなって動かない・・・・・」

泣きながら、言いました。

お姉ちゃんは、冷たくなったくろを抱いたまま、泣き崩れていました。

奇跡は起きませんでした。

祈りは神様に届きませんでした。

くろはもう動きません。

傷だらけで我が家の庭で鳴いていたくろ。

いつもブラウンと一緒だったくろ。

お姉ちゃんのひざの上で昼寝するのが好きだったくろ。

庭でしゃがんで草むしりしていたばあちゃんの肩にとび乗っていた人懐っこいくろ。

朝、餌の催促に玄関で鳴いていたくろ。

そんなくろをもう見ることはできません。

子供たちが落ち着きを取り戻した夕方。

くろをタバコ屋の裏の庭に埋めることにしました。

穴を掘り、くろをそっと入れ、花やおもちゃを周りに置きました。

今にも動いて鳴き出しそうで、埋めたくありませんでした。

が、このままではカラスにつつかれてしまうので、後ろ髪を引かれながら土を被せました。

泣きじゃくる子供たちを見て、ばあちゃんは慰めの言葉をかけます。

「今まで一生懸命面倒見てくれてありがとうね」

ばあちゃんの体を借りた「くろ」の最後のメッセージに思えました。

小さな石を乗せ、手作りの小さなくろの墓ができました。

子供たちは、別れを惜しみ、暗くなるまで墓の前に佇んでいました。

さようなら、くろ、安らかに・・・・・・

(つづく)