読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

年を取ったら過ぎゆく時に逆らわない生き方を…映画 『未来よこんにちは』

『あの夏の子供たち』のミア・ハンセン=ラブ監督の最新作を観ました。35歳の若い監督がフランスの大女優イザベル・ユペールを想定して50歳後半の女性を主人公に書いた物語です。独特な感性で年老いて孤独になった女性の生き方を描いています。時の流れで孤独になったヒロインがどう現実を受け入れ未来に向かって生きていくかがイキイキと描かれていました。

パリの高校で哲学を教えるナタリーが主人公で、教師の夫と独立している2人の子供がいます。そして年老いた認知症気味の母の面倒を見ながら充実した生活を送っていました。ところが突然夫から離婚を告げられ、母も他界してさらに仕事面でも時代の波に乗り切れず、気づけば一人孤独な生活をすることになりました。でも次々と起こるまさかの出来事を前にナタリーは、多少うろたえるものの悲観して立ち止まりはしませんでした。時や孤独は残酷な一面もあるけど、孤独って自由を手に入れるチャンスなんではと…それは自分のための時間が増えることでまんざら悪いことばかりじゃないと思うようになり、輝く未来を見つめるようになりました。

そんなナタリーの姿に老いへの怖れを吹き飛ばしてくれるパワーを見せてくれた素敵な映画でした。監督が選んだ劇中歌の『アンチェインド・メロディー』がとても印象的でした。出演は、イザベル・ユペールの他に夫をアンドレ・マルコン、ナタリーが寵愛する教え子をロマン・コリンか、認知症気味の母をエディット・スコブなどが演じていました。

母と娘の会話、まさかの行動に出た夫との決別、教え子に抱くチョッピリの女ごころなど、主人公ナタリーの凛として生きる50代後半の女性の魅力を感じました。人間老いてきたら過ぎゆく時に逆らわず、未来を信じて孤独という自由を手にして生きるのもいいもんだなぁ〜と思いました。別に女性に限らず男性にも共通する話でした。

2016年製作の1時間42分のフランスとドイツの合作映画でした。