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無料情報誌『R25』の盛衰の映す紙媒体の黄昏と愛着

 もう1カ月前に近い3月2日付の日経新聞15面の片隅に、見落としてしまいそうなほどのわずか7行のベタ記事が掲載されていた(実はこの文の下書きは掲載された直後に書いたのだが、アップはのびのびとなってしまった。そんなことは僕のブログでは日常茶飯事で、下書き帳にはもう2年近くもお蔵入りになっているものもあるのだ)。

◎かつてラックから引き抜いて読んでいたのだが

 リクルートの出している無料情報誌『R25』の関連サービスを4月に終了する、と同社が発表したというのだ。2004年に創刊し、駅や乗換連絡通路、コンビニなどのラックに置かれていた無料の雑誌だったが(写真)、スマホの普及で、その雑誌=紙媒体はすでに2015年に休刊していたという。

 そう言えば、『R25』を見かけないと改めて気がついた。とっくに休刊となっていたわけだ。

 僕は、かつてこの雑誌を時々、ラックから引き抜いて電車の中で読んでいた。記事は、みんな半ページとコンパクトで、駅間の短い山手線や地下鉄車内で読み切るのに好適だったからだ。

 一時は、首都圏の電車内で誰もが開いていて、発行部数は首都圏だけで50万部を超していた。

スマホが無料紙媒体さえ駆逐した

 僕は、今から11年前に、GREE日記で『R25』について書いたことがある。この記事で、無料誌に押され、「やがて有料週刊誌は淘汰される可能性がある。」と予言した(2006年9月10日付日記:「無料誌『R25』の可能性:フリーペーパー、リクルート、メトロhttp://gree.jp/264303/blog/entry/93390748を参照)。

 淘汰はされていないが、既存有料週刊誌は部数を大きく減らしている。

 ただ有料週刊誌を貪食しているのは、『R25』ではなかった。その『R25』まで駆逐したスマホである。

◎『週刊少年ジャンプ』が電車内から消えて久しい

 実際、今では電車の中でも新聞・雑誌の紙媒体を読む人は少なくなった。7人掛けのロングシートの全員がスマホを観ているのも、日常的風景だ(写真)。

 紙の有料週刊誌を読む人は、ほとんど見かけなくなった。

 20年前、毎週月曜日の夕方、電車の中では仕事帰りのサラリーパースンが『週刊少年ジャンプ』を広げているのが普通の光景だった。

 この頃の1995年に、同誌は653万部という驚異的な発行部数を記録した。むろん雑誌界でダントツの売れ行きだった。今は月曜日の夕方も、『週刊少年ジャンプ』を広げる人はほとんどいない(発行部数は、盛期の3分の1以下)。

◎新聞を読むのも肩身が狭い時代

 電車という公衆の場でマンガ週刊誌を読むオトナというのも、目を背けたくなる光景だが、一般週刊誌を広げている人もほとんど見かけなくなった。

 僕は、紙の新聞を読むのだが、新聞はさらに少ない。肩身が狭くなる一方だ。

 先日、帰宅途中の電車で座って新聞を読んでいて、次の面を開けようとちょっと広げたら、紙の先が隣の女性に触れたらしい。40歳くらいと思われるその女性が、「何だよー」と乱暴な口調で、僕をとがめた。

 新聞の端が触れたくらいで、乱暴に叱責されるほどの時代なのだ。スマホ時代以前は、こんなことはなかった。

 これは、社会の進歩なのか、退歩なのか。

 少なくとも進歩していないことは、電車内でスマホを観ている若者の少なくない層がマンガを観ていることからも分かる。媒体が紙からスマホに代わっただけだ。

 しかし紙の活字メディアほど、一覧性に優れ、そして深く思索させるものはない。

注 GREEによる容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。

 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/201703300000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

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